コラム

2022.11.16 06:00

ステークホルダーとは?CSRやSDGsの観点から重要視されている背景など徹底解説

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ステークホルダーとは?1行で解説すると

ステークホルダーとは、社員、顧客、株主などの企業の利害関係者のこと。

ステークホルダーとは

ステークホルダーとは、企業活動に関係するすべての人のことです。顧客や株主など、金銭的に利益や損失を受ける人だけでなく、企業活動によって直接的、または間接的に何らかの影響を受けるすべての人を指します。またステークホルダーは、企業の活動によって利益を受ける人だけではありません。企業が利益をあげることで売上減などの影響を受ける競合会社なども、ステークホルダーに含まれます。

ステークホルダーという単語の使い方

ステークホルダーという用語は、主に企業内で、株主に対する発信や、コンプライアンスの施策を検討する上で用いられます。たとえばステークホルダーは、株主を指して使われるケースも多いです。具体的には、株主総会での説明内容を検討するにあたり「ステークホルダーの理解を得られるように」というふうに言われます。

または、コンプライアンスの観点から、企業に関わる人を意識した経営を目指す上で、幅広い利害関係者を指して用いられます。その場合は、「ステークホルダーに対する情報発信が求められる」や、「ステークホルダーの利益を重視した経営」などという使い方がされます。

ストックホルダーとの違い

ステークホルダーと似たシーンで使われる言葉が、ストックホルダーです。ストックホルダーとは、株を所有している人、つまり株主のこと。ストックホルダーは、ステークホルダーに含まれます。

シェアホルダーとの違い

シェアホルダーは、ストックホルダーと同じく、株主を意味します。ただ、ストックホルダーと区別して、単に株を持っている人をストックホルダー、その中で議決権を有する大株主を、シェアホルダーと呼ぶことがあります。シェアホルダーも、ステークホルダーのひとつです。

なぜステークホルダーが重要視されているのか?

ではなぜ今、企業活動においてステークホルダーが重視されているのでしょうか。それは主に、CSRやSDGsなど、社会課題に関する取り組みが企業に求められているからです。

CSRでの観点

ステークホルダーは、CSRという言葉と同時に注目されました。CSRとはCorporate Social Responsibilityの略で、企業の社会的責任のこと。企業は、自社の利益だけでなく、従業員や取引先、株主の利益を追求し、社会全体に貢献すべきという考え方です。会社が存続し成長していくためには、ステークホルダーに対する責任や、ステークホルダーの利益を意識してビジネスを行うべきという観点から、ステークホルダーが重要視されています。

SDGsでの観点

SDGsの観点からも、ステークホルダーへの情報共有や、ステークホルダーとの関係強化が重視されています。SDGsとは、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)。紛争や貧困、感染症などの危機を乗り越え、人々が長く、地球上で暮らし続けていくために2030年までに達成すべき17の目標のことです。

SDGsって何がそんなに大事なの?中小企業との関わりとは?

世界的にSDGsへの取り組みが活性化する中で、企業には今、取引先や地域社会、自治体などのステークホルダーと連携しながら、社会問題や環境問題の解決に寄与していくことが求められています。

他にもこの言葉の意味はご存知ですか?

ステークホルダーのほかにも、コンプライアンスやガバナンス、アセスメントなど、よく聞く言葉の意味、知っていますか? 今さら人に聞けない、でも知っておきたいビジネス用語を、下記のお役立ち資料で詳しくお伝えします。

経営用語についてより詳しく知りたい方はこちら

経営者から見たステークホルダーとは具体的に何を指すのか?

では、企業経営者にとって、ステークホルダーとは具体的に誰を指すのでしょうか。

直接的ステークホルダー

ステークホルダーは、「直接的ステークホルダー」と「間接的ステークホルダー」のふたつに分類されます。直接的ステークホルダーとは、その企業の活動が直接、影響を与える人や組織のこと。具体的には、従業員、サービスや商品を買う顧客、仕入先などの取引先、株主、企業に融資する金融機関などを指します。

間接的ステークホルダー

間接的ステークホルダーとは、企業活動が直接影響を与えることはないものの、間接的に影響を及ぼす人や組織のことです。たとえば、経営者や従業員の家族、労働組合、企業が活動するエリアの地域社会や地域住民、または行政機関などの官公庁も間接的ステークホルダーにあたります。

ステークホルダーとの関係性を深めるために知っておきたい知識

企業の発展や、CSRやSDGsの観点からも重要なステークホルダーとの関係性。それを強化するためには、どのような取り組みが有効なのでしょうか。

ステークホルダーエンゲージメントとは

ステークホルダーエンゲージメントとは、ステークホルダーとの良好な関係を築く目的で、その期待や関心を理解するための取り組みです。エンゲージメントとは、所属・関係する組織に対する愛着や信頼感の度合いのこと。ステークホルダーエンゲージメントという、ステークホルダーに寄り添う取り組みによって得た課題や改善事項に対処し、彼らの期待に応えることが相互的な信頼につながります。

ステークホルダーエンゲージメントの一例は、株主に対する株主総会、IR説明会、株主向けの説明会など、株主に情報を提供する取り組みです。また、ショールームや展示会での商品紹介、お客様窓口の運営、顧客満足度調査など、顧客の要望に応える取り組みも、ステークホルダーエンゲージメントです。そのほか、従業員満足度の調査や、サプライヤー向け説明会など、社員や取引先とのコミュニケーションも、ステークホルダーとのつながりを深める有効な施策です。

ステークホルダーマネジメントとは

ステークホルダーマネジメントとは、企業や、プロジェクトの利害関係者を管理することです。主に、具体的なプロジェクトについて、関係する人や組織を明確にして信頼関係を築き、それぞれのニーズに対応しながら、プロジェクトを円滑に進めていくことを意味します。会社運営やプロジェクトの成功のためには、プロジェクトにおける各ステークホルダーの役割を定めた上で、適切なコミュニケーションの中、それぞれの利害や満足度を管理しながら、プロジェクトを実行する必要があります。

なぜ、中小企業にもステークホルダーの分析が必要なのか

では、中小企業にとってステークホルダーの関心を知り、分析することには、どのような意義があるのでしょうか。

新規顧客獲得の方法として

中小企業がステークホルダーとのつながりを強化することは、新規顧客の獲得にもつながります。たとえば、信頼関係を築くことができている既存顧客は、新しい顧客を自社に紹介したり、サービスを周りに勧めてくれたりします。また、仕事や会社への満足度の高い従業員は、会社に新しいアイデアをもたらすほか、自社サービスに自信や愛情を持って、顧客に売ることができます。ステークホルダーの満足度や利益に目を向けることで、新規顧客獲得も含む、ビジネスの広がりが見込めるでしょう。

BCP対策として

従業員や、地域社会、地域住民といったステークホルダーとのつながりを強めることは、自社のBCP対策も強化します。BCPとは、事業継続計画(Business Continuity Planning)のことで、企業が災害や感染症、システム障害などの危機に面したときも、重要な業務を継続できるように対策する計画のこと。取引先や同じ地域内の企業など、信頼関係にあるステークホルダーと、非常時の連携や支援に関する取り決めや情報共有を行っておくことが、BCPの強化につながります。

BCPとは?中小企業にも必要?BCP策定が必要な理由とメリットを徹底解説

また、緊急事態においても事業を継続し、社会やステークホルダーに対する責任を果たせる会社であると示すことができれば、ステークホルダーからより高い評価を得られます。万全なBCPの策定によって、従業員も、社会に対して責任を果たす会社に所属しているという充実感や、会社に対する強いエンゲージメントを抱くことができます。

事業承継時に考えること

中小企業が事業継承を行う際にも、ステークホルダーの分析やケアが重要です。従業員、株主、取引先などのステークホルダーは、経営者が変わることで会社の将来に期待や不安を感じることがあるため、事業継承は彼らに与える影響を十分に配慮しながら進める必要があります。従業員に対しては、事業継承や今後の事業の展望について周知し、不安を取り除くことが大切です。取引先や金融機関に対しても、挨拶状を送り、重要な取引先には訪問して報告するなどして、今後の経営体制について説明を行いましょう。

今こそステークホルダーを大切にする会社へ!

CSRやSDGsの観点だけでなく、企業の成長のためにも今、ステークホルダーを大切にした経営が求められています。ビジネスの発展を目指し、株主や顧客だけでなく、自社内の従業員や地域社会などの幸福にも幅広く目を向ける取り組みを始めてみてはいかがでしょうか?

今回ご紹介した用語以外にも、「ガバナンス」「アセスメント」「バリューチェーン」など、ビジネスでよく耳にするけど、実は意味を正しく知らないという言葉はありませんか? 経営者、ビジネスマンとして知っておきたい経営用語を、中小企業応援サイト独自のお役立ち資料「聞くに聞けない経営用語集」で詳しく解説していますので、ぜひご活用ください!

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