コラム

2021.12.24 06:00

SDGsって何がそんなに大事なの?中小企業との関わりとは?

SDGsって何がそんなに大事なの?中小企業との関わりとは?明日から始めるSDGs
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SDGsといわれても、 何から始めていいかわからない…そんな方のための中小企業SDGs発掘ガイド 明日から始まるSDGs

SDGsといわれても、 何から始めていいかわからない…そんな方のための中小企業SDGs発掘ガイド

SDGsとは何か、中小企業が取り組むメリットは何かという解説に加え、活動のヒントを探すワークシートも用意。SDGsの芽を探し、取り組みの計画から広報メッセージまで検討できます。

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最近、テレビや新聞などでもよく見聞きするようになった「SDGs」(エスディージーズ)という言葉。急速に注目度が上がっている一方で、「環境や社会に良いことをする活動でしょう?」といったイメージしか持っていない方もまだまだ多いでしょう。

しかし、これからの時代に中小企業が事業を成長発展させていく上で、SDGsは欠かせないキーワードであり、また、事業発展への道を示す道しるべともなりうるものなのです。

これまでSDGsについてあまり意識してこなかった方でも、それを知っていただくことにより、自社をより成長させていくさまざまなヒントが得られることと思います。

そこで、「明日から始めるSDGs経営」として、中小企業がどのようにSDGsを理解し、それを経営に取り入れていくべきなのか、3回の連載記事でご紹介していきます。

第1回のテーマは、「SDGsって何がそんなに大事なの?中小企業との関わりとは?」として、SDGsの基本について解説します。

そもそもSDGsとは?

最初に、SDGsとはそもそもなんなのか、その内容を正しく理解しておきましょう。

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。

SDGsは、2015年の国際連合総会で193加盟国の全会一致により採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ(行動計画)」において掲げられており、「誰一人取り残さない(leave no one behind)」持続可能でよりよい社会の実現を目指す世界共通の目標であり、2030年までに全世界で達成されるべきだとされています。そしてそれを達成するために行動しなければならない主体としては、国家や行政だけではなく、企業も含まれます。

しかし、直訳で「持続可能な開発目標」といわれても、まだピンとこないかもしれません。もう少しわかりやすいくいいかえると、「環境問題や、貧困問題、地域格差などの経済問題、民族差別、ジェンダー不平等などの社会的な問題などを解決しながら、地球と人類が持続可能な形で発展(Development)を目指していこう」ということです。

その背景には、これまでの経済発展や開発のやり方では、地球や人類が早晩破綻をしてしまい、持続することはできない、という危機意識があります。

では、SDGsにおいて、具体的にはどのような行動目標が示されているのでしょうか?

中身は、17の目標(Goals)、169のターゲットから構成されており、さらにそれぞれの目標の達成を図るために232の指標が定められています。

17の目標は、次のようになっています。

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(出典:持続可能な開発目標(SDGs)と日本の取組、外務省)

これらの目標を2030年までに全世界で達成しようという壮大な国際的プログラムが、SDGsなのです。

中小企業におけるSDGsへの取り組み、意識の現状

SDGsは、国や自治体などの公的セクターはもちろん、民間企業においても、地球社会の一員として、取り組まれるべき課題だと考えられます。

では、実際のところ、中小企業においてSDGsへの理解や取り組みの現状はどうなっているのでしょうか?

まずSDGsへの認知度は、近年、急速に高まっているようです。

たとえば、経済産業省関東経済産業局が(財)日本立地センターの協力を得て、2020年11月に関東1都10県の中小企業を対象におこなったWebアンケート調査では、調査対象の全500社のうち、「SDGsについて認知していない(本調査で初めて認知した)という回答が、全体の49.6%と、約半数を占めています。

前回調査(2018年10月実施)においては、この数字が84.2%だったことから、認知は大きく上がっています。

※参考:「2020 年度 中小企業のSDGs 認知度・実態等調査 概要版」、一般財団法人 日本立地センター

一方、2021年7月に公表(同年6月調査実施)された帝国データバンクの調査によれば、「SDGsという言葉を知らない、分からない」という回答は、中小企業で10.2%、小規模企業で13.4%となっており、調査対象、調査時期に違いがあるせいか、上記調査より大きく減少しています。社会全体でのSDGsへの認知度の向上がわかります。

しかし、SDGsに積極的な企業が、大企業では55.1%と禍半数になっているのに対して、中小企業では36.6%、小規模企業では31.6%と、実際の取り組みは企業規模での格差が大きいのが現状です。

※参考:「SDGs に関する企業の意識調査(2021年)」、帝国データバンク。調査実施は2021 年6月

中小企業がSDGsに取り組む理由

上記調査からは、企業におけるSDGsへの認知や取り組みは、大企業で先行して進んでいることがわかります。

中小企業では、「理想は結構なことだけど、それがうちの会社とどう関係しているのか?」と感じられるかもしれせん。あるいは、「そういうのは、グローバルで活動するような大企業が取り組むべきことで、中小企業には関係ない」と思われているかたも少なくないかもしれません。

「目標が壮大過ぎて、取り組みようがないというところが正直なところ」(食料品加工機械製造、大阪府)といった声が出ていることは、帝国データバンクの調査でも伝えられています。

しかし、中小企業にとってもSDGsは決して無関係ではありません。そればかりか、SDGsに真摯に向き合っていかない企業は、これからの市場での競争で勝ち残れない可能性が高くなっていくと思われます。

それは、(1)取引・販売関係、(2)人材採用、(3)資金調達という、企業活動においていずれも欠かせない、3つの観点から説明できます。

(1)取引・販売関係面へのSDGsの影響

中国の新疆ウイグル自治区での人権問題をめぐって、グローバルで多くの企業がサプライチェーンの見直しを迫られていることは、未だにホットな問題です。日本では、ユニクロブランドを展開するファーストリテイリングが、批判に晒されたことは記憶に新しいところでしょう。

今後、国内外の大企業において、SDGsの観点からサプライチェーンマネジメントを徹底する動きは強まる一方になると考えられます。大企業の直接の下請け企業はもちろん、製品・サービスを納入している中小企業においても、その社内にSDGs的観点から見た問題があれば、取引を制限される可能性が生じてきます。たとえば、ジェンダー差別などの反人権的な企業運営がなされていたり、環境負荷の高い製造環境を放置していたりなどです。

また、一般消費者へ商品・サービスを販売している企業においても、SDGsへの取り組みの有無が販売に影響を与える割合は、どんどん大きくなっていくでしょう。

とくに、「ミレニアル世代」「Z世代」と呼ばれる若い世代を中心として、「エシカル消費」が新しい消費トレンドになっています。エシカルとは「倫理的」という意味で、エシカル消費とは、「消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと」(消費者庁)であり、「SDGsの17のゴールのうち、特にゴール12に関連する取組」(同)とされています。

つまり、同じような性能、機能であるなら、より環境や人権に配慮した商品・サービスを選ぶのがエシカル消費です。

皆さんも、スーパーで、地場で採れた有機栽培の大根と、なにも記載がない大根があったら、少し値段が高くても「応援」の気持ちを込めて前者を買うということがあるのではないでしょうか?そのような消費スタイルを、多くの場面で採用する消費者が増えているということです。

(2)人材採用面へのSDGsの影響

エシカルな考え方を、消費の場面だけではなく生産の場面、つまり自分が働く職場の環境にも求めるという人も、とくに若い世代では増加しています。

過重な労働などにより、自分が直接不利益を被るような「ブラック職場」が避けられるのは当然のことです。しかし、自分が直接被害を受ける立場ではなくても、非SDGs的な会社だと見なされれば、働きたくないと考えられてしまうのが、ここでいう人材採用への影響です。

たとえば、自分は男性であっても、女性差別や女性へのセクハラがおこなわれているような会社では働きたくない、あるいは、高利益であっても社会や地域への還元活動をまったくおこなっていないような会社では働きたくない、という意識です。

現在は、コロナ禍で労働市場の需給も多少緩んでいますが、今後、中長期的に見れば、人口減少による労働力不足が強まることは必至です。すると、ただでさえ中小企業の人材採用は、大企業と比べて不利な状況に置かれます。非SDGs的な企業体質であることであれば、ますます優秀な人材の採用は難しくなるでしょう。それは企業の浮沈や存続にさえかかわってきます。

(3)資金調達面へのSDGsの影響

少々意外かもしれませんが、中小企業の資金調達面にもSDGsへの取り組みの有無の影響を与える時代になっています。

その背景には、投資にESG(イーエスジー)の視点を組み入れることなどを原則として掲げる国連責任投資原則(PRI)があります。ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の略ですが、投資先の財務情報だけではなく、これらESG要素も考慮して投資をしなければならないという原則が、PRIです。

日本では、最大の機関投資家である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2015年にこのPRIに署名したことから、他の機関投資家、民間金融機関も多くが参加しています。

ESG投資はSDGsと表裏一体と呼べるような密接な関連があり、SDGsを推進する企業を金融機関がESG投資で支える、あるいは、ESG投資を掲げる金融機関の投資先として、SDGsに取り組む企業が選ばれるという関係が、年々強まっています。

そして、以前は、ESG投資は比較的大企業向けのものと考えられていましたが、いまでは中小から中堅企業にまで、その対象が広がっています。

たとえば、りそな銀行(りそなホールディングス)では、2030年度までに中堅・中小企業向けのESG型投融資に10兆円という巨額を投じることを明らかにしています(『日本経済新聞』2021年6月2日報道)。

これは一例ですが、他の金融機関、あるいは、投資ファンドなどにおいても、ESG投資は大きな流れになっています。また行政からも、たとえば、環境省が「地域ESG融資促進利子補給事業」を実施しており、ESG融資に積極的な金融機関への補助をおこなっています。

行政と金融機関が一体となった動きとして、資本投資はもちろん、融資においても、SDGsに取り組む企業とそうではない企業で、資金調達可能性の差が拡がるものと思われます。

ビジネスチャンスとしてのSDGs

SDGsへの取り組みに消極であることで、取引・販売面、人材面、資金調達面などで将来悪影響を受ける可能性が高いという説明をしました。しかし、SDGsは、単にそれらの悪影響を避けるために、仕方なく取り組むというものではありません。

自社の事業に、SDGs的な観点を導入することで、新領域での活動、新事業の展開、新製品開発など、新たな事業価値を生み出せる可能性があるのです。

環境変化の激しいこの時代において、企業が生き残るためには既存事業を守るだけではなく、常に新しい事業領域の開拓をおこなっていかなければなりません。将来にわたって事業の価値を高めるための導きの糸となるのが、SDGs的な視点というわけです。

先に、サプライチェーンマネジメントの話をしましたが、これを逆手に取れば、新規の取引口座開設を求める際などに、SDGs的な問題に積極的に取り組んでいることをアピールすることで、発注側のサプライチェーンマネジメントの観点から、高い評価がなされる可能性があります。

あるいは、エシカル消費という観点では、競合他社がそのような取り組みを行っていない中で、自社が先駆けてSDGs的な視点からの商品提供をおこなえば、それは大きな優位性となるでしょう。

さらに、なんらかの社会的な問題を発見した際に、それをビジネスによって解決できないかと考えることが、新たな事業開拓につながります。そしてその際には、意志決定の速さという中小企業ならではの利点を大いに活用するべきです。

その具体的なSDGsの「芽」を探す方法については、第2回の記事で解説する予定です。

SDGs=CSR(社会貢献)ではない

SDGsを、なんとなく「環境や社会に良いことをすること」という感じで理解していると、CSR(企業の社会的責任)活動との区別がつきにくいかもしれません。CSRも、企業が社会に対して良い影響をもたらす活動ですから、たしかに似ているもので、重なる部分があるともいえます。また、学者でもなければ、両者を厳密に区別すること自体には、あまり意味があるとも思えません。

それでも強いていえば、CSRは必ずしも本業とは直接関係していない慈善活動や寄付活動も含めるもので、SDGsは事業そのものが持続可能な社会に貢献していること、だといえるでしょう。

たとえば、社員が町内の清掃ボランティアをしている会社があります。あるいは、売り上げの一部を、恵まれない人たちへの寄付に充てるといった約束をしている会社もあります。これらは、社会に貢献するCSR活動です。しかし、ビジネスそのものではなく、いわば会社の「余裕部分」でおこなっている活動です。

一方、たとえば、プラスチック容器を製造販売している会社が、それを自然に分解される素材に代替して環境負荷を減らし、そのことで新たな需要を生み出して売上を増やせば、それはSDGs活動の一環だといえるでしょう。

CSRが「余裕部分」でおこなう活動であれば、着手は比較的簡単です。しかし、経営資源に乏しい中小企業では、そこに投入できるリソースの質・量は大企業に比べて限られます。

一方、SDGsへの取り組みは、事業そのものを変化させることになるので、着手することはCSRに比べて難しいかもしれません。しかし、余裕なリソースを使うものではないという点において、中小企業でも続けていきやすく、取り組みやすいという面もあります。

ぜひ、本連載をきっかけに、皆さまの会社でもSDGsへの取り組みを考えてみてください。

また、中小企業のためのSDGsガイドブックをダウンロード資料としてご用意しました。ワークシートを埋めていくことで、SDGsの芽を見つけ、具体的な計画に落とし込むことができます。ぜひ無料でダウンロードし、SDGsの取り組みに活用ください。

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記事執筆

中小企業応援サイト 編集部 (リコージャパン株式会社運営

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