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コラム
2022.12.15 06:00
サプライチェーンとは?供給を最適化する業界別ポイントも解説
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サプライチェーンとは?1行で解説すると
原材料の調達から製造、流通を経て、製品が消費者に届くまでの供給プロセスのこと。
サプライチェーンとは
サプライチェーンとは、直訳すると「供給連鎖」。原料の仕入れから製造、加工、製造、物流、販売に至るまでのモノの流れのことです。自社内のプロセスだけでなく、部品メーカーや配送業者、小売業者など、関係する複数の企業をまたいだ供給フロー全体を指します。
サプライチェーンという言葉の使い方
サプライチェーンという言葉は、主に製造業や物流業、小売業など、商品の製造販売に関わる業界で、供給に関する文脈で用いられます。具体的には、「この製品のサプライチェーンには、多くの企業が関わっている」「サプライチェーンのあり方が大きく変わっている」などと使われます。
物流やロジスティクスとの違い
物流とは、配送業者による輸送や荷役により、製品を消費者のもとへと届ける活動を指します。またロジスティクスは、製品の生産、販売、配送などのモノの流れを、ひとつの企業が一元管理する仕組みのことです。
サプライチェーンは、その製品に関わる複数の企業における供給プロセスすべてを指すため、物流やロジスティクスとは異なります。一企業内での物流管理を指すロジスティクスは、サプライチェーンの一部分ととらえる考え方もあります。
バリューチェーンとの違い
バリューチェーンとは、直訳すると「価値連鎖」という意味。製品やサービスが顧客に届くまでのプロセスを連鎖的にとらえることで各プロセスで生まれる付加価値を見出し、各工程の強化や改善を行うマーケティング手法です。
一方でサプライチェーンは、製品が消費者に届くまでの供給システム全体を指すため、その点でふたつの言葉の意味は異なります。
トレーサビリティとの違い
トレーサビリティとは「追跡可能性」という意味。製品がどの原材料により、どこでどのように作られ、流通し販売されているのかを追跡するシステムのことです。一方でサプライチェーンは、モノの供給プロセス自体を指すため、意味が違います。
なお、サプライチェーンの各段階に従って製品について追跡を行うことを「チェーントレーサビリティ」と呼びます。
ほかにもこの言葉の意味はご存知ですか?
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サプライチェーンマネジメントとは?
サプライチェーンマネジメントとは、情報システムを活用して、供給されるモノやお金の流れを管理しサプライチェーン内で共有することで、全体の最適化を図る取り組みのことです。Supply Chain Managementを略して、SCMとも呼ばれます。
サプライチェーン全体を包括的に管理することで、製品の製造、販売プロセスや需給バランス、供給スピードなど、供給に関する各業務を改善することができます。
サプライチェーンマネジメントが注目される背景
では今なぜ、サプライチェーンマネジメントが注目されているのでしょうか。ひとつめの理由は、ビジネスのグローバル化です。生産拠点が国内外に及び物流もグローバル化する中で、適正な価格でスピーディに供給を行わなければ競争力を得られないという状況から、製造業を中心に、サプライチェーンの最適化が急がれています。
また、サプライチェーンマネジメントが重視される背景にあるのは、ドライバーや工場の作業員などの労働力不足です。製造業や小売業、物流業では、サプライチェーンマネジメントによって省人化や労働者の負担減を実現し、人材難の問題を解消することが求められています。
IT技術が発達し、業務アプリケーションによるリアルタイムな物流管理が可能になったことも、サプライチェーンマネジメントが進んだ理由のひとつです。部品メーカーや製品メーカー、卸売り業者、物流業者、小売業者に至るまで、多岐にわたるサプライチェーン全体の情報を集約し、最適化や業務改善ができる環境が整ったことで、サプライチェーンマネジメントが広がりました。
サプライチェーンマネジメントを導入するメリットとは
では、サプライチェーンマネジメントは、企業に具体的にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。主な導入効果を解説します。
情報の一元化
サプライチェーンマネジメントによって、製造、物流、販売などの情報を一元管理できます。情報をサプライチェーン全体でリアルタイムに共有することで、関係企業間や部署間をまたいだ業務がスムーズに進むため、各プロセスが効率化します。
また、情報の一元化によって人材が必要なプロセスを把握、的確な人員配置ができるため、人的リソースを有効活用できます。作業員やドライバーの負荷やムダな待ち時間の軽減による労働環境の改善も見込めます。
在庫管理の最適化
適切な在庫管理が可能になるのも、サプライチェーンマネジメントのメリットです。変化する需要に応じて適正な数の製品を製造、販売できるため、在庫不足による機会損失や、在庫過多によるムダも防げます。
最適な在庫管理によって製品の供給スピードを高い水準で保つことができるため、顧客満足度も向上します。効率的な在庫・供給体制が整うことで、売上アップや利益拡大が期待できます。
コスト削減
サプライチェーンの最適化は、コスト削減も実現します。サプライチェーンマネジメントによる情報管理やデータ分析によって、供給の各プロセスのコストのムダを可視化し、対処することができます。
過剰な在庫や仕入れをチェックして数量を最適化したり、物流上のドライバーの待ち時間を削減したりと、非効率の要因をなくすことで、供給コストを大幅に減らすことが可能です。
BCP視点
サプライチェーンマネジメントは、BCP(事業継続計画)の観点からも効果的です。BCPとは、企業が災害などの緊急事態に直面したときに、中核となる事業を継続、または早期復旧できるように備える計画のこと。BCPが未整備だと、サプライチェーンを構成する企業が被災して事業が行えなくなった際に、供給プロセスが途絶え、消費者に必要なタイミングで製品が提供できなくなる可能性があります。
サプライチェーンの中断は、事業活動の縮小による売上減や、顧客からの信頼低下などの事態を招きます。非常時に備えて、原材料の調達先や製造拠点を分散させておくなど、BCPをふまえたサプライチェーンマネジメント体制を整えておくことが重要です。
業種別に見る中小企業に必要なサプライチェーンマネジメントの考え方
業務効率化やコスト削減など、メリットが多いサプライチェーンマネジメント。では、中小企業がサプライチェーンマネジメントを進める上で重要なポイントとは何でしょうか。業界別にお伝えします。
製造業
商品を製造・販売する製造業にとって、消費者への供給体制を最適化するサプライチェーンマネジメントは、売上や顧客満足度アップにつながる重要な施策です。
製造業がサプライチェーンマネジメントを行う際は、仕入先や物流企業など、サプライチェーンを構成する協力企業とのスムーズな連携が不可欠です。サプライチェーン全体の流れや、その中で自社が果たす役割、他社との関係性などを確認しながら、自社内だけでなく、他社と協力して供給体制を改善していく必要があります。
建設業
サプライチェーンマネジメントは、建設業の業務効率化にも寄与します。建設現場、施工で使用する建材のメーカー、建材の原料を作る材料メーカー、輸送会社などのサプライチェーン間の連携を強化することで、工事スケジュールの効率化や、部品製造の合理化が実現します。材料の生産待ち時間のロスや、先読み製造による在庫ロスなど、各社で生じるムダも減らせます。
建設業のサプライチェーンマネジメントを成功させるポイントは、施工関連情報のデジタル化です。紙伝票による運用が残る建設業界では、原料発注等のリアルタイムな情報共有が難しく、供給に非効率が生じています。紙伝票を電子化し、出荷や受け入れ、施工情報の共有が可能になれば、建材の供給が円滑化します。さらに、蓄積された供給データを業務改善に活かすことも可能です。
倉庫・物流業
倉庫業や物流業の業務改善においても、サプライチェーンマネジメントは重要です。自社内のロジスティック管理だけでなく、原料メーカーから消費者までのすべての流れを管理するサプライチェーンマネジメントは、倉庫内の管理業務や、物流の流れを効率化します。
サプライチェーンマネジメントによる倉庫業や物流業の業務効率化に欠かせないのが、倉庫管理システムや配送管理システム、物流設備などのデジタル機器の活用です。スムーズなデータ共有がサプライチェーンの連携強化につながるほか、搬送用ロボットやピッキングシステムの導入は、省力化や人材リソースの有効活用、労働環境の改善も実現します。
聞くに聞けない経営用語集
サプライチェーンやサプライチェーンマネジメントは、製造業や物流業、小売業に携わる人なら知っておきたい重要な用語です。導入メリットや成功のポイントをおさえて、自社のビジネスに活用しましょう。
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