コラム

2020.12.25 06:00

地域企業の強い味方!地域連携・地域活性化に役立つ支援施策

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目的別!地域連携・地域活性化に役立つ支援策まとめ

目的別!地域連携・地域活性化に役立つ支援策まとめ

地域連携のために利用できる支援策を目的別にまとめ、概要や活用事例を一覧にしました。自社のニーズに合った支援策を探すのにお役立てください。

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※本記事の内容は、記事作成日(2020年11月)時点の情報に基づいています。最新の情報は各施策の公式サイトなどをご参照ください。

地域経済が盛り上がるための施策

日本全体で見ると人口減少が進行していますが、東京ではまだ人口が増えており、区部に限れば2030年ごろまでは人口増が続くと予想されています。それは、進学や就職を機に、地方から東京へと移住する人が多いためです。

地方は仕事が少ないため、仕事を求めて東京に出る人が増え、そのことでますます地方経済が縮小して仕事が減る。そういう悪循環が進行しています。

しかし、いくら集中しているといっても東京都の人口は約1400万人で、日本全体の人口から見れば10%強にすぎません。90%近くの人はその他の都市や農村部に住んでいるのですから、日本経済全体を盛り上げるためは、地方経済を盛り上げる施策が不可欠です。

そして、地域経済を盛り上げるには、自治体の力だけでも、地域企業の力だけでも不十分で産官学などの連携が重要なポイントになります。

そのため、政府・行政もさまざまな地域連携のための支援策を打ち出しています。

今回はそんな地域連携施策の中から代表的なものを紹介します。

(なお、いずれの施策も令和2年度の実施例であり、令和3年度の実施については未定です)。

地方自治体が主導する取り組みへの支援策

地域社会・経済を活性化させ、ひいては活力ある日本社会を維持するという目的で、第2次安倍政権時代の2014年に導入された政策が「地方創生」です。

内閣府が主導し、現在に至るまで多くの関連施策を実施しています。ここではその中から、地方自治体への支援を行う施策を2つ紹介します。

地方創生人材支援制度、未来技術社会実装事業のいずれについても、形式的には施策の主体となるのは地方自治体です。とはいえ、実際の事業実施に際しては、地元企業の参画、協力なしに進めることはできません。むしろ、地域の企業が先導して進める場合もあるようです。

いずれにしても官民合わせて多くの関係者を巻き込む事業になりますので、日頃からの関係構築がポイントになります。

地方創生人材支援制度

地方創生を人材面から支援するため、市町村への人材派遣を支援する制度です。

同制度は大きく、国家公務員、大学研究員を派遣する制度と、民間専門人材を派遣する制度にわかれています。

前者については、専門的な人材を派遣し、市町村長の補佐役として「市町村まち・ひと・しごと創生総合戦略」に記載された施策の推進を中核的に担うこととなります。

また、後者の民間専門人材派遣については、意欲と能力のある民間人材で、地域課題の解決を図ることのできる専門人材を派遣する事業になります。

そのスキームは、

  • 人材を派遣したい企業が「協力会社」として内閣府に人材情報を提供、その一方で、市町村のニーズを提供

  • 内閣府から市町村に対して企業情報を提示、それに対して市町村から派遣を希望する企業名などを連絡

  • 協力会社と市町村が協議して実際の派遣をおこなう

という流れになっています。

内閣府では、いずれの場合も、マッチングの支援、派遣後のサポートなどの施策を実施します。

未来技術社会実装事業

未来技術社会実装事業は、「AI、IoTや自動運転、ドローン等の未来技術の実装による新しい地方創生を目指し、地方創生の観点から革新的で、先導性と横展開可能性等に優れた提案について、各種交付金、補助金等の支援に加え、社会実装に向けた現地支援体制を構築するなど、関係省庁による総合的な支援を行うもの」とされています。

たとえば、無人路線バスの運行、ドローンによる宅配事業、ロボットによる農業など、少子高齢化、生産年齢人口の減少により生じた地域課題の解決を目指す施策について、実証実験から社会実装まで支援されます。

地域全体での取り組みへの支援策

多くの地方では、地方創生のメイン事業として観光、とくに海外からのインバウンド観光に対する取り組みに力を入れました。

現在では、コロナ禍によって、インバウンド観光はほぼ全面ストップした状態になってしまっています。しかし、「Go To トラベル」により、国内観光の動きは回復しつつあります。

また、中期的に見てコロナ禍が沈静化した際には、やはりインバウンド観光が主力となる地方は多いでしょう。

観光も、やはり地域全体で連携して取り組む意味が大きい分野です。

観光地域づくり法人(DMO)

全国各地で世界的な競争力を有する魅力ある観光地域づくりを促進するため、全国の優良な観光地域づくり法人の体制を強化し、国と観光地域づくり法人が連携し、訪日グローバルキャンペーン等に活用できる優良なコンテンツの造成を推進。

観光地域づくり法人とは、地域の多様な関係者を巻き込みつつ、科学的アプローチを取り入れた観光地域づくりを行うための、舵取り役となる法人です。英語で、「DMO(Destination Management/Marketing Organization)」と呼ばれることもあります。

地域で観光にかかわる多様な関係者(自治体、住民、宿泊施設、交通事業者、飲食店、公園、農林業者、商工業者など)が、ひとつの法人としてまとまり、予算配分から事業運営まで一元的に管理することで、効率的な地域観光事業(誘客や旅行消費拡大)を実現し、地域の稼ぐ力を向上させることを目指すものです。

観光地域づくり法人は「DMO登録制度」として観光庁への登録制となっており、現在全国の293団体が登録されています。

観光地においても、個々の企業や個々の組合が独自で活動していたものが、DMOとなることで国の支援も受けながら地域一体での面展開が可能になります。

テーマ別観光による地方誘客事業

郷土食や温泉地、星空鑑賞など、全国各地に点在する共通の観光資源を「テーマ」として設定し、テーマごとに各地の拠点を結んだネットワークに対して、支援を行う事業です。

具体的には、観光客のニーズや満足度を調査するためのアンケートやモニターツアーの実施、これら調査結果等を踏まえた観光客の受入体制強化や共通マニュアル作成、情報発信の強化、シンポジウム開催によるネットワーク拡大等の取り組みが支援されます。

そこから、国内外の観光客に新たな地域への来訪動機を与え、地方誘客を図ることが目的とされます。

令和2年度には、下記4テーマへの支援が実施されました。

Industrial Study Tourism

(歴史的、文化的価値のある産業文化財や生産現場などを観光資源とするツーリズム)

ONSEN・ガストロノミーツーリズム

(温泉地を拠点にして、「食」「自然」「歴史・文化」等の地域資源をウォーキング等により体感するツーリズム)

郷土食探訪~フードツーリズム~

(その地域ならではの食・食文化を、その地域で楽しむことを目的としたツーリズム)

宙ツーリズム

(リアルで美しい星空や千載一遇の天文現象だけでなく、オーロラ観賞やご来光、ロケット打ち上げ体験等を楽しむツーリズム)

商店街活性化・観光消費創出事業

商店街の活性化支援策のひとつです。補助対象事業は下記の2種類になりますが、単独では申請できず、両方を同時に申請しなければなりません。

(1)消費創出事業

地域と連携し専門家の指導を受けて実施する、インバウンドや観光等といった地域外や日常の需要以外から新たな需要を効果的に取り込むための環境整備やイベント実施等の取り組みを支援するもの

(2)専門家派遣事業

商店街が直面する消費ニーズの変化などの構造的な課題に対応し、商店街の魅力を向上させるため、専門家の派遣を支援するもの

▼補助率、補助金額など

(1)は補助率2/3以内、(2)は補助率10/10定額(上限200万円)。補助金額は合計で、下限200万円から上限2億円。

公式サイト

中小企業単体での取り組みへの支援策

地域産品など、その地域ならではの資源を活かしながら、中小企業が独自で取り組める施策の代表として、JAPANブランド育成支援等事業を紹介します。

JAPANブランド育成支援等事業

JAPANブランド育成支援等事業は、各地の中小企業が全国展開や海外展開、インバウンド需要の獲得のために、新商品・サービス開発や販路開拓・ブランディング等の取り組みを行う場合や、地域の支援機関が中小企業を支援する場合に、補助金などの支援差が出されるものです。

中小企業、商工会、商工会議所、組合、NPO法人等が補助対象となり、複数者が連携して共同申請することも可能です。事業には下記の2タイプがあります。

全国・海外展開等事業

概要

中小企業等が、海外展開や全国展開、インバウンド需要の獲得に関する取り組みを行うとき、その経費の一部を補助するもの

補助上限額

500万円、補助率:2/3または 1/2

全国・海外展開等サポート事業

概要

民間支援事業者や地域の支援機関等が、複数の中小企業者に対して海外展開や全国展開、インバウンド需要の獲得に関する支援を行うとき、その経費の一部を補助するもの

補助上限額

2,000万円、補助率:2/3または 1/2

JAPANブランド育成支援等事業(特別枠)

「特別枠」は、コロナ対策として補正予算で実施されたものです。内容的には、通常枠に加えて、観光やECなどによる新商流への挑戦といった取り組みが対象に加えられました。

公式サイト

地方企業と個人とのマッチングを支援

地方の中小企業が成長していくためには、即戦力となる優秀な人材の採用が大きな課題です。それをサポートするため、地方創生政策の1つとして実施されているプロフェッショナル人材事業を紹介します。

プロフェッショナル人材事業(内閣府)

地方の中小企業が成長していく上でネックとなるのが、即戦力となる優秀な人材の採用。その課題を達成させるための支援施策が「プロフェッショナル人材事業」です。これは地方創生政策の一環で、内閣府地方創生推進室が実施しています。

各道府県に「プロフェッショナル人材戦略拠点」を設置し、地域の関係機関等と連携しながら、地域企業の「攻めの経営」への転身を後押しするとともに、それを実践していくプロフェッショナル人材の活用について、経営者の意欲を喚起し、民間人材ビジネス事業者等を通じてマッチングの実現をサポートします。

マッチングは、以下の4ステップで実施されます。

ステップ1:地域企業の潜在成長力への気づき

(セミナーなどで地域企業が持つ潜在成長力への目覚めを喚起し、「攻めの経営」への転換を促進する)

ステップ2:プロフェッショナル人材活用の提案

(「攻めの経営」を実践できるプロフェッショナル人材の採用について、経営者の意欲を喚起する)

ステップ3:人材ニーズの具体化とマッチング

(プロフェッショナル人材の採用に本気となった企業について、民間人材ビジネス事業者へ取りつぐ)

ステップ4:フォローアップ

(プロフェッショナル人材採用後のフォローアップをする)

また、マッチングされる「プロフェッショナル人材」は、下記のような人材です。

経営人材・経営サポート人材

(経営者を支える右腕として企業マネジメントに携わる人材)

新事業立ち上げ・販路開拓人材

(新規事業や海外現地事業の立ち上げなど、企業にとって新たな事業分野や販路を開拓し、売上増加等の効果を生み出す人材)

生産性向上人材

(開発や生産等の現場で新たな価値(新たな製品開発、生産工程の見直し等)を生み出すことのできる人材)

まとめ:支援策探索の壁を乗り越えるため、専門家を活用しよう

今回紹介したもの以外にも、地域の中小企業を対象とした支援策は数多くあります。しかし、実際に利用している企業は少数派です。中小企業経営者が支援策を活用するには、「5つの壁」があると考えられます。

「検索」の壁

自分が使いたい施策を探し当てることが難しい。

「タイミング」の壁

使いたい施策が見つかったとしても、応募できる期間が極めて短いことが一般的。

「申請書作成」の壁

タイミング良く施策を見つけたとしても、経営者が自分で申請書を作成することが難しいものが多い。

「実行」の壁

申請のタイミングだけでなく、取り組みのタイミングも決められている。仮に計画書作成時期と経営状況が変わっていても、その通りの実行を求められ、期間内に実施できなければ補助が受けられないなどの場合がある。

「資金」の壁

補助金は原則として、事業完了後に資金を受け取ることになる。事業実施から補助金給付までの「つなぎ」の自己資金が必要となる。

日々の事業運営で忙しい経営者が、自分だけでこれらの壁を乗り越えることは、現実的には難しいことが多いでしょう。「餅は餅屋」で、専門家のアドバイスを受けながら、壁を乗り越えていくほうが、費用対効果は良好です。

その際に、もっとも頼りになるのは、昔ながらの「口コミ」です。たとえば、経営者仲間、メインバンク、あるいは親しくしている商工会議所の担当者などに「こういうところで困っているのだけど、くわしい専門家はいないでしょうか」と聞いてみるといいでしょう。

そういう人たちが紹介してくれる専門家であれば、比較的「ハズレ」は少ないものです。

本記事でご紹介した施策を目的別に整理し、概要や活用事例をまとめたダウンロード資料をご用意しました。自分の会社のニーズに合った支援策を探し、より理解を深めるのに役立ちます。ぜひお手もとに保存して、自社での取り組みや専門家へのご相談を検討なさる際にご活用下さい。

※本記事の内容は、記事作成日(2020年11月)時点の情報に基づいています。最新の情報は各施策の公式サイトなどをご参照ください。

文:編集部

長岡力氏の顔写真

監修

長岡力(ながおか つとむ)

中小企業診断士。1969年東京生まれ。1992年に法政大学を卒業し、三洋電機株式会社に入社。主に経営企画部門に従事し、在職中に中小企業診断士試験に合格。かねてから中小企業支援に関心があり、2003年に全国商工会連合会へ入職し、JAPANブランド育成支援事業等を担当。2009年に株式会社リンクアンドイノベーションを立ち上げ、代表取締役に就任。

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