コラム

2021.05.24 06:00

【2021年度版】IT導入補助金の利用は何からやればいい?検討から導入までの流れを解説

IT導入補助金のススメ IT導入補助金の利用は何からやればいい?検討から導入までの流れを解説
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どう進める?IT導入補助金申請フロー・ワークシート

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※本記事の内容は、記事作成日(2021年4月)時点の情報に基づいています。最新の情報は各施策の公式サイトなどをご参照ください。

IT導入補助金の活用、まずはなにから始めるか

IT導入補助金は、中小企業、個人事業主を含む小規模事業者が、生産性向上のためにITツールを導入する際に、導入費用の一定割合で一定金額までの補助金が交付されるものです(交付金額等の詳細は前回の記事をご覧ください)。

今回はIT導入補助金を利用しようと考えた際の流れについてご説明します。

まず、全体の流れは大きく、以下のようになっています。

公募スケジュールの確認

導入するITツールの検討

IT導入支援事業者の選定

IT導入補助金の申請に必要なgBizIDプライムの取得(未取得の場合)

「SECURITY ACTION」の宣言

「申請マイページ」の開設、および交付申請書の提出

交付決定通知

事業実施(「事業」という言葉に注意)

事業実績報告、および補助金交付

事業実施効果報告(補助金交付から3年間)

公募スケジュールの確認

最初に確認するのは公募のスケジュールです。

IT導入補助金は、一定の交付申請期間内に申請しなければなりません。交付申請期間は1年間のうちに複数回設けられます。昨2020年度には、10次まで(10回)の交付申請期間がありました。

本年度は、本記事執筆時点で、1次公募の締切が5月14日、2次公募の締切が7月中と発表されています。

本年度に何次公募まで実施されるのか未定ですが、予算措置であるため、なるべく早めに応募したほうがいいでしょう。

導入するITツールの検討

IT導入補助金の利用を考える際には、主に3つのパターンがあります。

(1)自社の課題の解決のために必要なITツールが具体的にわかっていて、その導入のためにIT導入補助金を活用しようという場合です。「ツール先行型」といえるでしょう。

(2)たとえば「会計業務を効率化したい」など、課題は明確であるものの、具体的にどのベンダーのどのシステムを利用しようとは決めていない場合で、これは「課題先行型」といえます。

(3)まだ具体的な課題やITのツールの導入は明確になっていない段階で、IT導入補助金の存在を知って、「そんな補助金があるのなら、うちの会社もそれを使って生産性向上ができないか」と考えるパターンです。こちらは「補助金先行型」といえるでしょう。

(1)ツール先行型

導入を検討しているツールを販売しているITベンダーに相談するとよいでしょう。

IT導入補助金は、認定を受けた「IT導入支援事業者」(以下、「支援事業者」と略記)のサポートを受けながら進める形になっています。

現在、多くのITベンダーが支援事業者に認定されています。そのベンダーが支援事業者であれば、導入のプロセスなども含めてサポートしてくれます。

(2)課題先行型

どのような課題に対して、どのようなツールが利用可能なのか、出入りのSIer(システムインテグレーション業者)などがいるなら相談してみるといいでしょう。

会計系のシステムなら税務を依頼している税理士、人事や総務系のシステムなら社労士などに相談することも可能です。

そういった相談相手もいなければ、よろず支援機関や商工会・商工会議所など公的な窓口で相談しましょう。

(3)補助金先行型

解決すべき課題の抽出からスタートしなければなりません。

そのヒントとなるのが、業種ごとにどのような課題を抱えていて、それをITツール導入でどのように解決したのかという事例が掲載されている、IT導入補助金Webサイトの「業種別 お悩み解決ITツール機能」のページです。

この事例を入り口にしながら、より詳細に分析したい場合は、必要に応じて中小企業診断士などの専門家の力を借りながら、事業課題の洗い出しから始めて、必要ツールを探していきましょう。

いずれの場合も、ある程度の規模の企業の場合は、経営者ひとりで進めるよりも、ITツール導入のためのプロジェクトチームを社内で作ることがベターだと思われます。

よくある課題とITツールによる解決例

よくある課題の例です。このような課題を抱えているなら、IT導入補助金の利用を検討してみるといいでしょう。

▼書類を電子データ化するのに労力がかかっている

書類の電子データ化は昨今必須の作業です。しかし電子化自体は売上や利益に直結しないので、ITツールによる自動化を積極的に図りたい業務です。

→導入検討ツール:RPAツール、OCRツールなど。

▼経理作業を手作業でしており人件費に悩んでいる

経理業務は比較的規模が小さい企業の場合は、まだ伝票や帳簿の処理を手作業で行っているケースもあります。経理業務は、ある程度の専門性が必要とはいえ定型業務には違いないので、ITツールを導入すれば大きく生産性を向上できる課題でもあります。

→導入検討ツール:財務会計ツールなど

▼顧客からの問い合わせに時間を取られている

顧客からの問い合わせ対応やサポート業務は避けられません。これらは従来はスタッフが対応するしかなく、生産性の低下を招いていました。ところが、AIの発展により、ある程度までは機械化、自動化が可能になっています。

→導入検討ツール:チャットボット、マーケティングオートメーションツールなど

IT導入支援事業者の選定

使いたいITツールの種類の目星がついたら、ITツールを扱っている支援事業者を探して、コンタクトを取りましょう。

その際にヒントとなるのが、IT導入補助金公式サイトの「IT導入支援事業者・ITツール検索」のページ(2021年版は記事執筆時点で準備中)です。

商談や見積もりなどを経て、支援事業者を決定したら、以後は、その支援事業者と二人三脚で進んでいくことになります。

なお、注意点ですが、この段階ではまだ支援事業者と導入契約をしてはいけません。交付決定前の契約には補助金は交付されないので、十分に気をつけてください。

交付申請手続から交付決定まで

IT導入補助金の申請に必要なgBizIDプライムの取得

IT導入補助金の申請には、「gBizIDプライム」が必要になります。gBizIDとは、国や地方自治体のさまざまな行政サービスにオンライン(インターネット上)でアクセスするための共通IDです。「gBizIDエントリー」と「gBizIDプライム」の2種類があり、IT導入補助金申請に必要なのは「gBizIDプライム」です。

もしgBizIDプライムを取得していない場合、最初にその申請・取得をします。なお、gBizIDプライム取得には2週間程度の期間が必要です。

gBizIDについて、くわしくはgBizID公式サイトで確認してください。

「SECURITY ACTION」の宣言

中小企業自らが情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度である「SECURITY ACTION」の「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」の宣言をする必要があります。

この宣言には、審査などは必要ありませんが、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)セキュリティセンター SECURITY ACTION事務局への申し込みが必要です。

SECURITY ACTION公式サイト

「申請マイページ」の開設、および交付申請書の提出

IT導入補助金の申請手続は、各申請者(企業)ごとに作成される「申請マイページ」でおこないます。申請マイページとは、IT導入補助金の申請や各種手続を行ったり、また事務局からの連絡を受けたりするためのポータルサイトです。

「申請マイページ」は、支援事業者が用意して、企業は支援事業者から招待される形で最初にログインします。

ログイン後、必要な情報を入力して交付申請をします。交付申請時には、ITツール導入の目的や、どれくらいの生産性向上が予測されるのかといった計画を記入します。

交付決定通知、および審査に通るコツ

申請の結果、採択されれば、事務局から交付決定通知が届きます。交付決定通知は、原則として申請締切日の翌月の最終営業日(平日)となっています。無事に交付決定通知が届いたら、次の事業実施に進みます。

なお、現在、IT導入補助金の採択率は40~50%程度と言われています。審査に通るか通らないかは、申請書類の書き方によって決まります。審査に通りやすい申請書作りのためには、支援事業者から積極的にアドバイスを受けて、制度趣旨に合致した申請をすることがコツです。

事業実施および補助金交付

事業実施(「事業」という言葉に注意)

交付決定通知後、事業を実施します。ここでまぎらわしいのが「事業」という言葉の意味です。

IT導入補助金における「事業」の意味は、「支援事業者との間でITツール導入の契約を結び、ツールが納品されて、代金を支払うこと」です。

一言でいうと「事業=ITツールの導入」です。そのITツールをビジネスに活用して成果を上げることを指すのではない点に注意してください。

事業実績報告、および補助金交付

事業実施(ITツール導入)後、事業実績を事務局に報告します。事業=ITツール導入なので、事業実績報告は、「きちんとITツールを導入しました」ということの報告になります。その証拠として、納品書、領収証、銀行の振り込み明細書などを添付し、「申請マイページ」から事務局に報告します。

そして、それらの証憑を元に、事務局が「確定審査」を行います。確定審査では、主に不正な金額での請求などが行われていないかが審査されます。審査に通れば、補助金が交付され指定の銀行口座に振込まれます。補助金の入金は補助金額の確定からおよそ1か月後とされています。

なお、事業実施(ITツール導入)、および事業実施報告は、交付決定日からおおむね6か月以内に行わなければなりません。そのスケジュールは、あらかじめ定められています。

事業実施効果報告(補助金交付から3年間)

冒頭に書いたように、IT導入補助金は、生産性向上などを目的としたITツール導入促進のための施策です。そのため、実際にITツール導入によって生産性向上の効果が現れたのかどうかを、申請時の計画と比較しながら、3年間にわたって報告しなければなりません。これが「事業実施効果報告」です。(先の「事業実績報告」と混同しないように注意してください)

報告すべき主な内容は、1年度ごとに、既定の経営指標がどの程度向上したのかを表す数値です。

ただし、企業は、売上、原価、従業員数、年間平均労働時間などのデータを、「申請マイページ」から入力すればいいだけです。経営指標の計算をする必要はありません。

入力された数字を、支援事業者が確認して、支援事業者から事務局に報告が行われます。

まとめ

IT導入補助金の申請には、IT支援事業者とツールの選定、gBizIDの取得など、時間がかかる部分も多くあります。

また、明確な根拠はありませんが、早めの次の申請のほうが採択されやすいのではないかという声もあります。ぜひ早め早めの対応をしてください。

今回の記事をもとに、全体の申請の流れを確認でき、用意するものやスケジュールの目安もメモできるフローチャート兼ワークシートを用意しました。こちらから無料でダウンロードできます。ぜひお手元に置き、今後のIT導入補助金の検討に役立ててください。

※本記事の内容は、記事作成日(2021年4月)時点の情報に基づいています。最新の情報は各施策の公式サイトなどをご参照ください。

文:編集部

西尾勝人氏の顔写真

監修

西尾勝人(にしお かつと)

中小企業診断士。兵庫県立大学大学院経営研究科修了。企業内診断士としてITを活用した経営改善等のサポートを行っている。

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