コラム
2020.10.26 06:00
SaaSとは?導入のメリットとデメリット、注意点とは?
この記事に書いてあること
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SaaS (サース)とはSoftware as a Serviceの略で、サービスとしてソフトウェアを使うことです。
これまで、製品版のソフトウェアを利用するには、最初に全額を支払って購入し、利用者のパソコンに導入して使用していました。しかし、SaaSでは毎月定額の利用料を支払って、提供者のサーバー上で稼働しているソフトウェアを利用します。
たとえば、GmailのようなメールサービスやGoogle Driveのようなファイル共有サービスなどがSaaSの仲間で、クラウドのサービスの1つなので、インターネットを介して利用します。
利用者は使用している期間や利用者数、利用時間などに応じて代金を支払うだけでよいため、初期費用を安くできます。登録するだけですぐに使用でき、使い始めるまでの期間が短いことが特徴で、少しの間だけ使いたい場合には便利です。
また、ソフトウェアがサーバー上で動作しているため、提供者が新しいバージョンに更新するだけで利用者は常に最新の機能を使えます。
管理を提供者に任せられるため、利用者側での管理の手間が少ないこともメリットでしょう。
「SaaS」についての素朴な疑問
「SaaSを導入するメリットはわかったけど、逆にデメリットや注意点はあるのだろうか?」
SaaSは安くて便利な一方でデメリットも存在します。たとえば、ネットワークやサーバーで障害が発生している、など利用者側に問題がなくても使えない状況が発生する可能性があります。
利用者の使い方に合わせて自由にカスタマイズできないこともありますし、提供者が新しい機能を追加すると、使い勝手が変わってしまいます。初心者は使い方に戸惑ってしまう可能性もあるでしょう。
情報漏えいやデータの損失などが発生した場合も、利用者側でできる対応が限られている、という課題もあります。
このようなデメリットを理解した上で利用するには、稼働率や品質などに関する契約内容を確認します。SaaSの利用にあたってはSLA(サービス品質保証、サービスレベル合意)という契約に合意します。具体的にどのような内容が保証されるのか、事前に確認しておきましょう。
長期間に渡って利用する場合は、月額の利用料が積み重なり、費用がかさむ可能性がありますが、専属のシステム管理者を雇う人件費と比較して検討するとよいでしょう。
執筆者
増井 敏克
増井技術士事務所 代表。技術士(情報工学部門)。情報処理技術者試験にも多数合格。ビジネス数学検定1級に合格し、公益財団法人日本数学検定協会認定トレーナーとしても活動。「ビジネス」×「数学」×「IT」を組み合わせ、コンピュータを「正しく」「効率よく」使うためのスキルアップ支援や、各種ソフトウェアの開発をおこなっている。『IT用語図鑑』など著書多数。
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