コラム

2020.10.19 06:00

コロナ禍では必須!デジタルの営業戦略とは?

第2回 坂口孝則の今伝えたい経済トレンド
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執筆者

坂口 孝則

未来調達研究所株式会社所属。経営コンサルタント。コスト削減・原価・仕入れ等の専門家として企業向けコンサルティングや講演を行い、日本テレビ「スッキリ」などテレビ・ラジオ等にも出演。著書は34冊を超える。近著に『未来の稼ぎ方 ビジネス年表2019-2038』(幻冬舎刊)など。

コロナ禍の営業努力はむなしく散る

「あんた、それ人殺しと一緒だぞ!」

先日、顧問先で社長と話していた。その会社は飛び込み営業を基本としており、ある奥様から罵声を浴びさせられ営業社員がいたく心を痛めていた。コロナ禍の世界では不特定多数と会う営業は拒絶される。

トランプ大統領はメキシコの壁を訴えたが、コロナ禍では別の壁ができたように思う。コロナ感染を気にする人と、気にしない人だ。

気にする人とはなかなか交われないため、前述の事故が起きる。企業間の場合の問題は、新規取引先を開拓できない点だ。名刺交換すらできない。

私はサプライチェーンのコンサルティングに従事している。そこでは買い手側に立つ。さらに自社のコンサルティングサービスを販売する売り手側でもある。

買い手側のもとには、無数の販促動画が届く。メールでURLからYouTubeなどに誘導するものだ。これからは動画の時代だからと業者に頼んで依頼したんだろう。

ただ、画面を開くと終了まで20分と表示が出てゲンナリしてしまう。結果、ほとんど動画は見られない。なお、私がテストしたところ、10分を超え、さらに字幕ぬきの動画は反応がない。

子供や個人消費者向けならともかく、多くのビジネスパーソンはオフィスで働いており音を出せない理由だろう。綺麗な編集をしてもさほど意味はなかった。なんとか対策はないか。

デジタルの企業マーケティングと営業に求められるもの

試行錯誤すると、企業間で見られる動画は二つの特徴があった。買い手の悩みを深くえぐり取るものと、エンタメ化したものだ。単なる製品紹介ではない。

私の例を話す。企業の喫緊の悩みは何かと考え、サプライチェーン上のキャッシュの改善だと考えるにいたった。

私は改善施策についてiPhoneで動画を撮影した。字幕の代わりに資料を見せることにした。動画は無編集のまま、1時間ほどで作成したWixのページにアップロードした。動画の配置やパスワード付きページが容易だからだ。

それを顧客のメールアドレスに向けて告知する。同時にFacebookなどの広告で拡散させる。Facebookは既存顧客のメールアドレスをまとめてアップロードすれば、類似のターゲットに向け宣伝可能だ。

その際、観てくれたひとのメールアドレスだけでも収集するようする。結果、すごい人数が観てくれた。そこから、多数のサービスの申込みがあった。問い合わせがあれば、ただちに商談に誘導する。

テレビ会議システムは優秀なものが発売されている。ただZoom、Teams、Google Meetでもいい。その場でなら、相手は商品紹介の動画も観てくれる。

さらに説明用ソフトのmmhmm(ンーフー)は凄い。オンラインでのプレゼンを刷新する。原稿執筆時点では招待制だがすぐさまチェックしてほしい。

そこからMA(マーケティングオートメーション)のツールでフォローする。いまでは格安、ものによっては無料で使える。見込み客の獲得から電話をかけるのが定石とされる。それをMAでメールに代替する。

視聴、あるいは会議後から数日後、そして一ヶ月後に自動にフォローメールを送付する。単純な接触機会が増えれば商談も増える。

また現在ではバーチャルマーケットが隆興している。これは仮想空間上の販売市だ。文字通り、仮想上で商品を見たり買ったりする。最新では100万人もの訪問者を記録した。

昔のビデオゲーム「セカンドライフ」、あるいは「フォートナイト」のような楽しさ。まさに商取引のエンタメ化だ。そこで私もオンラインの展示会に出展してみた。

たとえば10社で協業し告知する。それぞれの既存顧客数を10倍すれば相当な数になる。とくに大きな投資が必要ではない。そこからZoomのウェビナーを開催し、時間で区切ってパソコンからプレゼンを行う。すると、意外なほど多くの方々が、続きを知りたいと集まった。

リアルの価値を高めよ

現在、起こっているのは、マーケティングと営業の垣根が溶けている事態だ。これまでマーケティングは人を集め、営業がクロージングすると言われた。

しかし、もうマーケティングにおいてオンライン上で接したタイミングで販売しなければならない。営業とマーケティングはほとんどデジタルと同義になってくる。これは大きな変化といえる。

そして重要なのは矛盾するようだがリアルの価値を高めていくことだ。

あるプロレスイベントでは、密を避けるために限られたお客しか入れない。基本はオンラインで配信する。しかし、どうしても生で見たいお客は少人数のみ10倍の価格でチケットを販売するという。

企業の営業戦略は一言でいえば「値上げ」だと私は思う。そう考えれば、値上げしても満足してもらえるサービスを考える。安価商品ばかり売ってデフレだからと叫んで解決するなら、ずっと叫んでいればいい。

*iPhoneは、米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。

*Facebookは、Facebook, Inc. の登録商標です。

*ZoomおよびZoom(ロゴ)は、Zoom Video Communications, Inc.の米国およびその他の国における登録商標または商標です。

*Microsoft Teamsは、米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。

*Google、G Suite、YouTubeおよび関連するマークとロゴは、Google LLC の商標です。

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