コラム
2020.10.05 06:00
デジタルトランスフォーメーションとは?デジタルとリアルの融合に繋がるヒント
この記事に書いてあること
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デジタルトランスフォーメーション(DX)は「ICTと一体化したビジネスモデルの変革」を指す言葉です。
ICTを活用して、人々の生活を便利で快適なものにする取り組みはこれまでもおこなわれてきました。それは、これまで続いてきた産業の業務自体を、ICTを利用して自動化・効率化したり、付加価値を提供する。という考え方でした。
一方、デジタルトランスフォーメーションは、その産業のビジネスモデル自体を大きく変えるという考え方です。デジタルトランスフォーメーションでは、ICTと産業が一体になって、ICTを主役として新たなビジネスを生み出すことが求められています。
そのためには、AI(人工知能)やビッグデータなどデータの活用に加え、5Gなど高速なネットワークのようなインフラの整備が不可欠だといえそうです。
「デジタルトランスフォーメーション」についての素朴な疑問
「デジタルトランスフォーメーションの具体的な例にはどんなものがあるんだろう?」
デジタルトランスフォーメーションの例としてよく挙げられるのが、「Amazon Go」です。これまでのコンビニやスーパーなどでは、商品をカゴに入れて、最後にレジを通るのが当たり前でした。バーコードやPOSシステムなどICTを活用した効率化は進んできましたが、人の流れは変わりませんでした。
Amazon Goでは、レジを通る必要はありません。スマートフォンやIoT、AIを活用し、商品を手にとって店を出れば、自動的に購入したものが決済されます。当然、レジに人は不要になりますし、万引きなどに対する考え方が根本から変わります。
最近では、セルフレジやキャッシュレス決済、スマホへのクーポン配信などデジタル(ネット、サイバー空間)とリアル(現実の店舗や場所)の融合が進んでいますが、そこから一歩進んで、得たデータを有効活用することが求められています。
このように、デジタルトランスフォーメーションという言葉は業務そのものや組織のあり方、企業の文化などを変えることで競争力をつけ、安定した収益を得られることを指しているのです。
執筆者
増井 敏克
増井技術士事務所 代表。技術士(情報工学部門)。情報処理技術者試験にも多数合格。ビジネス数学検定1級に合格し、公益財団法人日本数学検定協会認定トレーナーとしても活動。「ビジネス」×「数学」×「IT」を組み合わせ、コンピュータを「正しく」「効率よく」使うためのスキルアップ支援や、各種ソフトウェアの開発をおこなっている。『IT用語図鑑』など著書多数。
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