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2020.10.05 06:00

コロナに負けない!中小企業のための本当に使える支援策紹介

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コロナに負けない!中小企業向け支援策検討チャート

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※本記事の内容は、記事作成日時点(2020年8月)の情報に基づいています。最新の情報は各施策の公式サイトなどをご参照ください。

ウィズコロナ時代を勝ち抜く中小企業となるために

新型コロナウイルス感染症の流行により、2020年4~6月期のGDP(国内総生産)成長率がマイナス7.8%(年率マイナス27.8%、速報値)となるなど、日本経済は戦後最悪ともいわれる不況に直面しています。

中小企業も、苦しい経営を強いられている企業がほとんどでしょう。生き残っていくためには、足元の運転資金を確保すると同時に、コロナがもたらした「新しい日常(=ニューノーマル)」に対応できる経営、事業を模索する必要があります。

国も、そのような中小企業の経営をサポートするため、各種の支援策や補助金を準備しています。今回はその代表的なものをご紹介します。

政府系金融機関の「コロナ対応融資」で資金繰り改善

足元の資金繰りが厳しい場合、まず検討するのが金融機関からの融資です。

今回のコロナ危機は、未曾有の経済危機であり、政府も力を入れて中小企業を支えようとしています。そこで、従来はニューマネーの融資は難しかったような中小企業、たとえばすでに多額の借入があったり、リスケジュールをしている企業でも「コロナ対応融資」の枠であれば、比較的融資が出やすくなっています。

ただし、もちろん「絶対」ということではありません。とくに、赤字や債務超過など、業績・財務が非常に厳しい会社の場合、より融資の可能性を高めるために、後で述べる「経営改善計画」を策定することをおすすめします。

融資には、政府系金融機関を利用するものと、民間金融機関(銀行、信用金庫など)を利用するものがあるので、それぞれについて解説します。

■日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」

政府系金融機関である日本政策金融公庫の主な施策としては、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」があります。

これは、新型コロナウイルス感染症の影響により、一時的に業況が悪化している事業者を対象としたもので、さらに国民生活事業と中小企業事業の2種類に分かれています。国民生活事業は、比較的小規模な事業者、中小企業事業は、比較的大規模な事業者向けです。

国民生活事業

融資限度枠

8000万円

融資条件

最近1ヵ月の売上高が、前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している事業者で、中長期的に業況が回復し発展することが見込まれること(業歴3ヵ月以上1年1ヵ月未満の場合等は別途基準あり)

融資利率

日本政策金融公庫の定める基準利率。ただし、4,000万円を限度として融資後3年目までは基準利率-0.9%となる(注)。

返済期間

設備資金20年以内、運転資金15年以内(いずれも、据置期間5年以内可能)

中小企業事業

融資限度枠

6億円

融資条件

国民生活事業とほぼ同じだが、業歴3ヵ月以上1年1ヵ月未満の場合等は含まず。

融資利率

日本政策金融公庫の定める基準利率。ただし、2億円を限度として融資後3年目までは基準利率-0.9%となる(注)。

返済期間

国民生活事業と同じ

(注)特別利子補助制度:売上高-15%になった小規模法人などについては、基準利率-0.9%の部分に別途利子補給がされて実質無利子となる予定。

なお、日本政策金融公庫では、ほかにも「セーフティネット貸付」「新型コロナウイルス対策マル経融資」などの融資制度があります。セーフティネット貸付やマル経融資は、通常時から実施されていたものですが、コロナ対応として要件緩和や利子補給などの優遇措置が実施されています。

また、これらの融資と「新型コロナウイルス感染症特別貸付」とは別枠扱いとなり、たとえばすでにマル経融資を満額まで受けている事業者でも、別枠として新型コロナウイルス感染症特別貸付を受けられる可能性があります。

要項や支援施策の選び方については、わかりやすくまとめたダウンロード資料を無料配布中です。

■商工中金の「危機対応融資(新型コロナウイルス感染症特別貸付)」

政府系金融公庫には、商工中金もあります。商工中金でも、「危機対応融資(新型コロナウイルス感染症特別貸付)」を実施しており、一定期間の利子補給などの優遇制度があります。

商工中金の融資限度額は、元高20億円、残高6億円となっています。元高とは、貸出額の累計額で、20億円の貸出限度額は日本政策投資銀行等との合算運用となります。

信用保証協会の保証制度と、民間金融機関の実質無利子・無担保融資

銀行や信用金庫などの民間金融機関のコロナ対応融資については、「信用保証協会の保証」を理解した上で、「民間金融機関の実質無利子・無担保融資」を確認してください。

両社は関連していますが別のものであり、関係がややこしいので、誤解のないように注意してください。

■信用保証協会の保証制度

中小企業が民間金融機関から融資を受ける際、多くの場合に信用保証協会の保証を受けます。信用保証協会の保証にはさまざまな種類があり、普通の状態のときに受ける「一般保証」と、経営の安定に支障をきたしているときに受ける「セーフティネット保証」、さらに大規模な災害時などに適用される「危機関連保証」があります。

今回のコロナ対応として、「セーフティネット保証4号」「セーフティネット保証5号」「危機関連保証」が利用できるように認定基準が緩和されました。

(なお、名前が似ているのでまぎらわしいのですが、日本政策金融公庫の「セーフティネット貸付」と、信用保証協会の「セーフティネット保証」は、まったく別のものであり、無関係です。)

セーフティネット保証4号

保証上限

2.8億円(有担保)、または8000万円(無担保)

保証率

保証債務の100%

保証条件

売上高が前年同月比▲20%以上減少等の場合、など

(従来は地域限定だったが、現在は全地域が対象となっている)

セーフティネット保証5号

保証上限

2.8億円(有担保)、または8000万円(無担保)(4号と同枠)

保証率

保証債務の80%

保証条件

売上高が前年同月比▲5%以上減少等の場合、など

(従来は業種限定だったが、現在は全業種が対象となっている)

危機関連保証

保証上限

2.8億円(有担保)、または8000万円(無担保)(4号、5号とは別枠)

保証率

保証債務の100%

保証条件

売上高が前年同月比▲15%以上減少等の場合、など

セーフティネット保証4号と5号は同枠になり、危機関連保証は別枠になります。したがって、有担保の場合は最大で、

【2.8億円(セーフティネット保証4号+5号)+2.8億円(危機関連保証)=5.6億円】

が、一般保証枠とは別枠で保証されることになります。

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■民間金融機関の実質無利子・無担保融資

国が補助を行う都道府県等による制度融資において、セーフティネット保証4号、5号、危機関連保証のいずれかを受けている場合に、一定の要件を満たせば、利子や保証料の減免が行われる制度です。

内容

融資上限額

4000万円

融資期間

10年以内(うち5年以内の据え置き期間可能)

担保

不要

利用条件

セーフティネット保証4号、5号、危機関連保証のいずれかを受けていること

個人事業主の場合、売上高が▲5%以上

小・中規模事業者(個人事業主以外)の場合、売上高が-5%以上、または-15%以上

優遇内容:

・個人事業主の場合、保証料と金利がゼロになる

・小・中規模事業者で売上高が▲5%以上の場合、保証料が1/2になる

・小・中規模事業者で売上高が▲15%以上の場合、保証料と金利がゼロになる

(保証料は全融資期間、利子補助は当初3年間)

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■借り換えや保証の変更で負担が減る場合も

すでに一般保証を受けて融資を受けているけれども、コロナによる売上減少で、その返済が厳しくなっている、というような場合は、今回の民間金融機関の実質無利子・無担保融資に借り換えをすることで、返済負担を減らせる場合があります。

経済産業省や金融庁でも、民間金融機関に対して、そういった借り換えについて、柔軟に対応するように要請をしているため、遠慮せずに金融機関に相談してみましょう。

資本を増強して財務体質を強化できる「資本性劣後ローン」

資本性劣後ローンという名前を聞いたことのある方は少ないかもしれません。制度としては以前から存在していましたが、あまり普及はしていませんでした。

コロナ危機に際して、令和2年度の第2次補正予算で中小企業企業向け資本性劣後ローンに予算が組まれました。

政府系金融機関(日本政策金融公庫、商工中金)で融資商品ラインナップには、「新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付(新型コロナ対策資本性劣後ローン)」などとして掲載されています。

■「資本性劣後ローン」とはどういうものか?

資本性劣後ローンは、ローン(融資)であり、貸借対照表上は負債の部に記載されるものであり資本金に近い性格を持ちます。

具体的な特徴として、

  • 5年1か月~20年といった長期間、返済をする必要がない(一定期間後に一括返済)

  • 利率は一定ではなく、1年ごとに業績に応じて2段階で上下する

  • 経営破綻などの場合、金融機関が残余財産の分配を受ける権利の順序が、通常の融資よりも後になる(これが「劣後」の意味です)。

  • 銀行などが決算書(貸借対照表)をチェックする際に、資本性劣後ローンの部分は、負債ではなく自己資本としてみなす(自己資本としてみなす割合は融資期間による)。

などがあります。

この特徴により、資本性劣後ローンを導入すると、財務状態が棄損(債務超過になっているあるいはそれに近い)している企業の財務(自己資本比率)が大幅に改善し、新たな融資を受けやすくなるなどの効果も生じます。

なお、融資金額上限は日本政策金融公庫の国民生活事業で7200万円、中小事業で7億2000万円、商工中金では7億2000万円(中小企業向け制度)です。

■「資本性劣後ローン」が向いている会社、および注意点

資本性劣後ローンを検討した方がいいのは、コロナの影響で大幅に業績が悪化して事業再生に取り組む企業やスタートアップ(創業まもないベンチャー)企業、事業拡大に向けて新規設備導入などを目論む企業などです。

まとめていうと、安定的な資金を導入すれば、大幅に経営が改善される可能性がある企業ということです。

そこで、どのように経営改善を実施するのかを示す「経営改善計画」の提出が必要になります。

なお、資本性劣後ローンは5~20年後には、一括して全額を返済する前提です。そのため、その間に確実に業容を発展させて財務基盤が強化され、一括返済ができるという見込みが必要です。

もし、財務基盤の状態が変わらないままに一括返済を求められると、非常に困った事態になるので、その点は十分に事前検討が必要です。

「ものづくり補助金」「小規模企業持続化補助金」の特別枠(コロナ対応枠)

中小企業が生産性向上や新規事業開発、販路拡大などの施策に取り組む際、必要な資金に対して一定の資金補助を受けられるのが補助金です。従来から広く活用されている「ものづくり補助金」「IT導入補助金」「小規模企業持続化補助金」の3つに、従来の枠組みに加えて、コロナ対応のための特別枠が用意されています。

いずれの補助金においても、特別枠はコロナを契機に

  • サプライチェーンの毀損への対応

  • 非対面型ビジネスモデルへの転換

  • テレワーク環境の整備

の施策を実施する場合に補助が受けられます。

コロナ枠は、従来の枠よりも補助率が高かったり、適用範囲が広げられているなどのメリットがあります。コロナ対策への“打ち手”を講じる際には、ぜひ検討してみてください。

以下では、ごく簡単な概要のみ記載します。詳細な応募条件や補助内容などは、各補助金の公式Webサイトなどでご確認ください。

「ものづくり補助金」のコロナ特別枠

正式名称

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

制度趣旨

革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するもの

補助上限額

1000万円

補助率

2/3~3/4

補助上限50万円の事業再開枠を上乗せ可能

補助対象

中小企業・小規模事業者等

「IT導入補助金」のコロナ特別枠

正式名称

サービス等生産性向上IT導入支援事業

制度趣旨

生産性向上のために有用なITツール、サービス等の導入支援

補助上限額

450万円

補助率

2/3~3/4

補助対象

中小企業・小規模事業者等

「小規模事業者持続化補助金」のコロナ特別枠

制度趣旨

小規模事業者等が取り組む販路開拓等の取組の経費の一部を補助するもの

補助上限額

100万円

補助率

2/3~3/4

補助上限50万円の事業再開枠を上乗せ可能

補助対象

小規模事業者(製造業で常時使用する従業員の数が20人以下、など)

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経営改善計画書の策定も支援を受ければやりやすい

「経営改善計画書」とは、業績や財務が悪化している企業が、その経営を改善する方法や計画を具体的な数値でまとめた書類のことです。

業績や財務状態が悪化している企業が金融機関から融資を受けたり、リスケジュールを受ける際には、金融機関からこの計画書の提出が求められます。また、資本性劣後ローンのように、その提出が条件として定められているものもあります。

経営改善計画書は、通常、国の認定支援機関(認定経営革新等支援機関)となっている会計事務所やコンサルタントなどに協力してもらって作成します。しかし計画書の作成と作成後のフォロー費用の合計で、数10万円から300万円程度が必要です。もともと経営が苦しいところにその費用を捻出するのは大変です。

■経営改善計画策定支援事業

経営改善計画書の作成を支援するために用意されているのが、「認定支援機関による経営改善計画策定支援事業」です。

これは、金融支援を伴う本格的な経営改善の取組みが必要な中小企業を対象として、認定支援機関が経営改善計画の策定を支援する際、計画策定費用、およびフォローアップ費用について、2/3(上限200万円)までの補助金が受けられるものです。

経営改善計画書の作成を考える際には、支援事業による補助金の受給も検討してください。

■早期経営改善計画と早期経営改善計画策定支援事業

経営改善計画と似ているものに「早期経営改善計画」があります。これは、経営改善計画が必要となるほど本格的な経営危機にまでは陥っていないものの、資金繰り管理や採算管理などのより基本的な内容の経営改善の取組を必要とする中小企業や小規模事業者を対象として、資金計画表やビジネスモデルなどの計画をして早期に経営改善を図るものです。いわば、経営改善計画の簡易版のような位置づけです。

こちらも、認定支援機関の協力を得て策定するための早期経営改善計画策定支援事業があります。認定支援機関に支払う費用の2/3(上限20万円)が補助されます。

経営改善計画よりは手軽ですので、コロナで事業状況が厳しく、一度、プロの支援を受けながら事業計画を見直したいという方は、補助を受けて早期経営改善計画を策定してみてはいかがしょうか。

まとめ

本記事でご紹介したのは、中小企業が利用できるコロナ対応の支援策の代表的なものです。

他にも、業種限定のものや自治体独自のものなど、たくさんの支援策があります。最新の支援情報については、経済産業省のまとめページで確認するか、お近くのよろず支援機関、あるいは商工会議所などに問い合わせてみてください。

なお、本記事で紹介した支援策を種類別、支援金額別にまとめ、目的に合ったおすすめの支援策を検討できるチャート資料もご用意しました。プリントしてお手もとに置いておけば、いざというときにすぐにご確認いただけます。こちらからダウンロードしてください。

※本記事の内容は、記事作成日時点(2020年8月)の情報に基づいています。最新の情報は各施策の公式サイトなどをご参照ください。

【文】編集部

長尾康行氏の顔写真

監修

長尾康行(ながお やすゆき)

中小企業診断士、株式会社フラッグシップ経営 代表取締役。2009年に前身となる長尾経営事務所を設立。中小企業・小規模事業者に寄り添いながら事業再生・経営改善支援を主に手掛ける。圧倒的な支援実績で得たノウハウを武器に年間400件のアポイントをこなすため日本全国を飛び回る。

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