事例集

2022.01.07 06:00

社員ファーストの発想でICTを積極導入。事業拡大と生産性向上を両立する二ホンバイオフーヅ製造(宮崎県)

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OEM(相手先ブランドによる生産)に特化したサプリメントや健康食品の製造企業、二ホンバイオフーヅ製造は事業拡大と生産性向上を両立する鍵としてICTの導入を積極的に進めている。その背景には社員に負担をかけずに課題の解決を図る「社員ファースト」の思いがある。

デザインから製造、配送までを短納期で請け負う


今年4月からリコージャパンのアドバイスを受けて販売管理システムと社内決裁システムを一新した。「社員が疲弊していてはお客様にしっかりとした製品を届けることはできません。社員が心から取り組みたいと思っている仕事に集中できる環境をいかに作り出すかがトップの役割と思っています」。自然豊かな宮崎市田野町の企業団地に立地する同社本社で四田三雄社長は、新システム導入の背景について話した。

四田三雄社長

四田三雄社長


二ホンバイオフーヅ製造は、プロポリスをはじめ、オリジナルの玄米麹、大麦若葉、あまおうパウダーなど数百種類の原料を扱い、パッケージのデザインから製造、配送までの工程を短納期で請け負える強みを持つ。健康食品の適正製造規範、GMPの認定を受けた工場では、ソフトカプセル、ハードカプセル、タブレット、粉末、顆粒などあらゆる形状の製品を生産している。数百単位から100万単位の受注に柔軟に対応することが可能だ。

二ホンバイオフーヅ製造が生産している製品のサンプル

二ホンバイオフーヅ製造が生産している製品のサンプル

アナログ式に限界を感じデジタル化へ


2017年の就任以来、四田社長は製造管理や販売管理の文書作成や決裁に紙、ハンコを使うアナログ式ではいずれ限界が来ることを強く感じていた。「以前は納期が近づいてくると間に合わせるために工場を昼夜フル稼働するなど社員に負担をかけてしまうことがありました。社員の負担を軽減した上で納期をしっかりと守るには、定型的な業務を効率的にこなして時間を生み出すことが必要と強く感じていました」と四田社長は振り返った。

社長直轄のプロジェクトチームを編成


この観点から着目したのがICTの活用だ。導入前にリコージャパンと二人三脚で準備を入念に行った。社長直轄のプロジェクトチームを編成し、1年かけてシステムの選定をはじめ、膨大な過去のレシピのデータ整理や新しいシステムで変えなければならない業務、変える必要がない業務を確認しながら移行を進めた。準備期間中、コロナ禍に見舞われたが、Web会議が打ち合わせに大きな効果を発揮したという。

管理栄養士、デザイナーを含めた30人の正社員のうち、20代、30代が3分の2を占める。年齢構成が若いこともあってICTに馴染むのも早く、自分たちが使いやすいシステムにするために積極的な提案があったという。

「過去のデータを洗い出すことで製品のレシピが知的財産の塊であることを再認識できました。販売管理システムはレシピや納品時期といった注文についての情報はもちろん、備考欄にはお客様の要望といった詳細な情報まで入力できるので非常にわかりやすく情報を共有できるようになりました」と四田社長。

見積もり決裁の時間短縮、残業時間の削減を実現

新しく導入した販売管理システム

新しく導入した販売管理システム


これまで営業から各部署に回す見積書はハンコで承認していたため、決裁完了まで1週間程度かかっていたが、デジタル承認にすることで2日から3日でできるようになった。繁忙期の残業時間も3分の1程度に削減できた。さまざまな効果に加え、数字に表れない効果も生まれたという。

「それぞれの社員が組織運営や品質管理、商品開発といった本来取り組むべき仕事に集中できるようになりました。社員から寄せられる相談も、新しいことに取り組みたいという前向きな内容が増えてきました。今の会社の枠にとらわれることなく、どのような組織であっても通用する人材力を高めてほしい。それが社員ひとりひとりの充実した人生につながると考えています」と四田社長は満足そうに話した。

トレンド変化の激しい業界にスピードで対応

業務のデジタル化ですっきりとしている二ホンバイオフーヅ製造のオフィス

業務のデジタル化ですっきりとしている二ホンバイオフーヅ製造のオフィス


健康食品、サプリメントの業界はトレンドの変化が激しく、発売するタイミングが悪いと売上が伸びないことがある。類似製品も多いので欠品は消費者が他社製品に乗り換える要因になることがある。「一気に火がつくことがある一方で、ブームが去るのも早いのが特徴です。お客様は在庫がなくなる事態をできる限り避けたいと考えています」と四田社長。注文を受けてから納品するまでのスピードをなにより大事にしている。

同社は生産をすべて自社工場で行い、デザインも手掛けているので、試作品づくりと並行してパッケージデザインなどほかの工程も進めることができる。ヒアリングの開始から納品まで通常では3ヶ月かかるケースでも60日程度で納品できる体制を構築している。

衛生管理を徹底するために工場に設けられているエアシャワールーム

衛生管理を徹底するために工場に設けられているエアシャワールーム


食品業界だけでなく不動産や眼鏡メーカーといった異業種からも注文が来る。「そこで生きているのが提案力です。注文を通じて業界のトレンドを常に把握できるのは大きなアドバンテージです。その上でリサーチをしてしっかりとした根拠を基にお客様に提案することを心掛けています」(四田社長)。

働いている人に評価される企業に


優位性を強化するために現在、新しい生産管理システムの導入準備を進めている。蓄積していたレシピのデータをシステムに移すことによって製造時点で自動的に在庫情報が更新され、リアルタイムで発注手配や製造データの蓄積ができるようにしたいという。今後も、就業管理システムの導入など必要に応じてデジタル化を進めたいという。

二ホンバイオフーヅ製造の本社

二ホンバイオフーヅ製造の本社


業績は好調で今後も新たな物流倉庫や新しい工場を建設する予定だ。「雇用の創出を通じて地域の活性化に貢献していきたい。外部からではなく、働いている人に優良と評価される企業にしていきたい」と四田社長はビジョンを力強く語った。

ICTを活用して社員を大事にすることが、お客様へのサービス向上につながる。二ホンバイオフーヅ製造の取り組みを取材して、このような好循環が生み出されていると強く感じた。

事業概要

会社名

二ホンバイオフーヅ製造株式会社

本社

宮崎県宮崎市田野町字桜ヶ丘乙1730-10

電話

0985-86-5616

設立

1992年12月

従業員数

正社員30人、パート・派遣33人

事業内容

健康食品・健康素材、機能性食品、清涼飲料水、発酵食品、生薬、漢方薬、動物用サプリメント、医薬品、化粧品などの製造、研究、商品開発

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