事例集

2021.04.12 06:00

コロナ禍でグループウェアの活用が加速する 町田商工会議所(東京)

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執筆者

フジサンケイビジネスアイ

産経新聞グループの日本工業新聞社が発行する日刊ビジネス情報紙。我が国経済の成長を盛り上げると同時に、経営者やビジネスパーソンの皆様に、ビジネスの成長に役立つ情報やヒントをお伝えしてまいります。


東京や横浜へと通勤する人たちのベッドタウンとして、43万もの人口を抱える東京都町田市。ここを拠点に各地へと展開している会社や、地域に根ざして商売をしている店などがあり、町田商工会議所にも4100の事業所が会員として登録している。
「経営に関するご相談もあれば、融資や保険など事業運営に関する会員のさまざまなご相談もあって、20人ほどの職員が経営課題解決のために動いています」と、町田商工会議所の役割を説明する総務部総務課の林忠司課長。「年度末はやはり確定申告のご相談がぐっと増えます」。令和2年度はとくに、新型コロナウイルス感染症の影響で経営環境がガラリと変わり、新たな支援金制度なども導入された。対応する職員も例年にない忙しさに追われている。

所外でも情報漏えいなく情報共有したい


そこで必要となるのが、職員の間での情報共有だが、「これまでの町田商工会議所のシステムでは、そこがうまくいかなかったんです」と林課長。理由は、スケジュールを把握したり、情報を確認したりするための端末が会議所内でしか見られなかったからだ。「以前から使っているスケジュール管理システムはクラウドではなくオンプレミスで、外部からアクセスできないようになっているんです」

職員が出先で相談を受け、別の職員につなごうとする場合、所内にいる誰かに端末を開いて所在を確認してもらう必要があった。日々の活動記録なども、出先から戻って入力する必要があるため、「外出が多い職員の生産性が、どうしても下がってしまう傾向にありました」。働き方改革も言われる状況で、就業時間内にできるだけ効率よく動けるようにする必要があった。
浮かんだのが、どこからでも情報の入力や閲覧ができるシステムだ。クラウドベースのグループウェアのなど様々な候補が浮かぶ中で、リコージャパンから提案のあったマイクロソフトのoffice365をベースにした仕組みを取り入れることにした。「officeなら今まで使っていたアプリケーションと同じ感覚で利用できます。クラウド上でスケジュール管理をしたり、SharePointでファイル共有や情報共有も行ったりも可能なります。もちろん会員企業の大切な情報を扱っていますから、外出時のセキュリティ面もシステム選択の重要な項目でした」。

職員の手間とストレス改善に大きな効果


出先でもスマートフォンやPCなどからアクセスし、職員のスケジュールを把握できるようになった。ちょっとの手間でも、積み重ねれば厖大な時間が奪われる。それらをなくして、スムースにストレスなしに業務を遂行できる体制が整いつつある。

会議所内にある会議室の予約も取りやすくなった。「これまでは、電話をして会議所にある端末で、予約状況を確認してもらう必要がありました」。新しい仕組みでは、ふさがっている日時をその場で把握してスケジュール調整を行える。書面に記載して提出してもらうような段取りも不要となった。

外出先からでも画面上で予定を確認することができる

外出先からでも画面上で予定を確認することができる

情報共有が瞬時に出来、しかもその場で予約できる。手続きの手間の大幅な削減とペーパーレス化、しかも従来の手間がなくなるストレス改善は、大きな効果だったと林課長は話す。
商工会議所が展開している様々な施策や、税制も含めて次々に行政から打ち出される制度などを書面にして持ち歩くとなると、相当な手間になって費用もかかっていた。そうした情報をクラウド上に集約しておき、出先でタブレットやPCなどから開いて会員の事業者に見せて、提案などを行えるようになる。以前は、いつも大きなカバンを持ち、忘れ物がないか毎回確認しながら外出する。それでも人間だから忘れることもある。場合によっては取りに帰ることもある。そんな手間やストレスから解放される。

コミュニケーション改善で若い人の発言が多くなった


業務効率の改善だけではない。職員どうしのコミュニケーションの改善にも、クラウドを利用したシステムの導入が効果を見せ始めているようだ。「チャットの機能で、若い人が声を上げやすくなったと思います」。もちろん今までも、20人ほどしかいない組織の風通しは決して悪いものではなかったが、「口頭で何か言うのが憚られる時でも、チャットなら思いついたことを言ってもらえるんです」。

チャット機能でコミュニケーションが円滑に

チャット機能でコミュニケーションが円滑に

基本的に新卒は採っておらず、企業などを経験してから入所した人たちだけに、それぞれが優れた知見を持っている。こうした知見を集約して活用できるようにするプラットフォームにも、新しいシステムはなっているようだ。

新型コロナ禍でのコミュニケーションに威力を発揮


新型コロナウイルス感染症は、リモートワークの推奨というこれまでとは大きく違った働き方を求めるようになった。町田商工会議所でTeamsを利用したウェブ会議を導入することで、離れた場所にいる職員どうして話したり、直接出向くことを避けながら会員の相談にのったりといった対応を進めている。
「始めるにあたって、ファシリテーターになれるよういろいろと練習もしました。関心のある職員に参加してもらい、実地検証なども行って使えるようになってもらいました」。これからも所内のIT推進チームで、利用したら便利な仕組みを検討していくという。

オンラインでの社員向け会議研修の様子

オンラインでの社員向け会議研修の様子


先の見えないコロナ禍は、よりいっそうの業務のリモート化、そして効率化を社会に課していくと予想される。そうした中でも職員どうしが情報を共有し、会員の事業者にもしっかりと対応できるようにしていく必要がある。「現在は古い仕組みと併用して動かしている状況です」と話す林課長だが、環境の変化に対応できる体制は、導入からの半年ほどで整いつつある。

相談やセミナーの受付の電子化など、やっていきたい目標も生まれてきた。運用を続け経験知を反映させていくことで、全国にある商工会議所の手本になる仕組みも生まれてくるかもしれない。

会社概要

会社名

町田商工会議所

本社

東京都町田市原町田3-3-22

電話

042-722-5957(代)

設立

1989年6月1日

従業員数

23人

事業内容

会員を対象にした経営相談/融資相談/講習会・セミナー/補助金・助成金/共済・保険・福利厚生/労務・人事/証明・各種申請

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